
コスト削減は、私が言うまでもなく毎日意識し、日々工夫をなさっていらっしゃると思います。毎日毎日経費のムダ使いをチェックし、必要に応じて指導や経費の圧縮策に取り組んでいらっしゃるはずです。
しかし、
・どうも上手くいかない!思うように経費が圧縮されない!
・低消費機器や設備の導入、基本料金の見直し等をしたが、逆に経費が増加してしまった!
・経費削減に現場が協力してくれているのに期待していたほどの結果が出ない!
・コスト削減にコンサルタント会社に依頼して一時は経費の圧縮はできたが、
またすぐに元に戻ってしまった!
という状況に陥っていませんか?
■まず理解しておきたいこと
会社のコスト:いわゆる”経費”は、大きくわけて3つのコストに分類されます。ひとつは、電気・水道・ガスなど会社運営上、最も必要な底辺にあるコスト「エネルギーコスト」です。次に、会社運営には事務が必要不可欠ですが、その事務を行う環境や設備、事務に関連する消耗品などの「オフィスコスト」。そして、営業活動や保守、取引活動に必要な移動諸経費や運用のために必要な経費などの「オペレーションコスト」です。このようにまずは、一口に言っても大きく3つにコスト(経費)を分類して対応方法を考える必要があるということを理解しておきたいところです。
一般に、コスト(経費)削減を実施しようとした場合に、多くの会社では、真っ先にエネルギーコストに手を着けるたくなります。電気・水道・ガスなどの公共料金の基本料金を下げるための契約の変更などがそれにあたります。この方法は、例えばコスト削減を実施する担当者一人が、誰への影響もなく対応できるというメリットがあり、手早く効果のあるものだとして、多くのコスト削減コンサルタントの方々も推奨していらっしゃいます。しかし、例えば、電気料金を現在「業務用電力供給契約」であるところを「高圧電力供給契約」に変更したら、基本料金が年間で100万円程度の削減ができると言われて、じゃあすぐに契約変更しようとしたとしても、実はそうはなかなか変更をしてくれないのが実態です。変更までの期間や手間、時間を待って電力会社から連絡があっても「変更できない」という内容だったなど、削減金額は確かに魅力的ですが、それまでの道のりはかなり険しく、残念ながら、それまでにかかる労力と削減金額のバランスが取れるケースはあまり多くはありません。
■日々の使用実態の把握をしていますか?
確かに1円もムダにしたくない。支払う必要のないお金を支払うなんてバカバカしい。と思います。だからといって、そのお金と同じ価値のある「時間」や「労力」を犠牲にしてまで、エネルギーコストの削減にこだわる必要もないはずです。まして、コンサルタントに依頼して削減できたのはいいのだけれど、その成果に見合う報酬の支払いが、削減額以上のものとなるケースも多いため、今または今期の利益を出す必要があるのに、これでは、むしろマイナスになってしまいます。もっと確実なコストの削減、利益として残せる圧縮方法はないものでしょうか?
このような疑問を解消するために必要なことは、日々の運用の点検、いわゆる現実の直視です。まずは実態を把握し、何がムダなのかを追及するための把握です。そのためには、先ほども言いましたが、「エネルギーコスト」「オフィスコスト」「オペレーションコスト」に分類し、何がそれにあたるのか、そして、部門や製品・サービスに対してどれだけ使用されているのかを正確に把握することが重要なのです。

■健全企業と欠損企業の差は紙一重!わずかなスキを見逃すな!
少し別の角度から考えてみましょう。中小企業庁が発表している「中小企業の原価指標」という年次報告書があります。これを閲覧しますと、業種業界別で調査対象年度の損益状況や経費使用状況など総合的な中小企業の財務状況が確認できます。その中に、健全企業と欠損企業の違いとしてグラフ化されたデータがあるのですが、これを見ると、コスト使用率から見る欠損企業のコストのかけ方の特徴が分かります。それは、
販売費・統制費の使用比率が健全企業とほぼ同額
共通費・地代家賃の使用比率が健全企業よりも高い
※販売費とは、宣伝広告費や荷造運賃費など会社のPRや販売を促進する活動のためのコストです。
※統制費とは、交際費、通信費、旅費交通費、消耗品費など営業活動に必要な活動コストのことです。
※共通費とは、リース料や保険料、減価償却費や水道光熱費など会社全体でかかる費用のことです。
※地代家賃とは、事務所家賃や店舗使用料など事業活動に必要な場所・設備にかかるコストのことです。
お分かり頂けますでしょうか?最も分かりやすい例として、売上や売上総利益が健全企業と欠損企業とでは、さほど差がないにも関わらず、使っているお金は、欠損企業の方が多いのです。そして、その原因を探ると、次のようなことが分かりました。
今、必要でない部分にお金を使っている
ご自分を含め、従業員全員のコスト使用状況に目を向けてください。あなたの会社がひょっとしたら、欠損企業の仲間入りをしているかも知れません。そして、これが欠損企業をはじめコスト削減を上手く進めることができない原因であるという事実を理解する必要があります。健全企業と欠損企業の差は、まさに紙一重。ご自分や従業員の「使い方:コスト意識」次第であるということなのです。
■あなたの会社は健全企業?それとも欠損企業?
自分の会社が健全企業なのか欠損企業なのかを簡単に調べられる計算式をご紹介しますので、是非、試算してみてください。
まずは、あなたの会社の現在の財務資料をお手元に出してください。その数字を元に、まずは、損益分岐点売上高を算出し、算出できた金額を使って、損益分岐点比率を算出して見ると、今あなたの会社がどういう状態なのかを数字で確認することができます。
(1)損益分岐点売上高算出の計算式
★固定費 ÷ 1-(変動費÷売上高) = 損益分岐点売上高
例)小売業総平均の場合
・固定費平均額 94,435千円
・変動費平均額 272,273千円
・売上高平均額 374,167千円
これを上記計算式に当てはめると、
94,435千円 ÷ 1−(272,273千円÷374,167千円) = 346,777千円
次に、損益分岐点比率を求めます。
(2)損益分岐点比率算出の計算式
★損益分岐点売上高 ÷ 売上高 × 100 = 損益分岐点比率
(1)で求めた損益分岐点売上高が346,777千円なので、
346,777千円 ÷ 374,167千円 × 100 = 92.7%
さて、算出されました 92.7% という損益分岐点比率ですが、健全企業の場合は、このように100%を下回り、欠損企業である場合は、100%を上回ってしまいます。要するに、求めた比率が100%以上か以下かで、あなたの会社の状態がわかるというものです。是非、一度ご確認頂きたいと思います。
■健全企業であるためには?
上記計算式に当てはめた結果、自分の会社が欠損企業であることが分かった、若しくは、欠損企業ではないから大丈夫だが、ギリギリの状態で100%に近かったなら、今から申し上げる視点をもって現場をチェックしてみてください。「エネルギーコスト」「オフィスコスト」「オペレーションコスト」この3つのコストのすべての使用状況に対して、
本当は必要でない経費を使っていませんか?
本当は必要でない経費とはいったいどういうものでしょうか?そうです。「あれ」です。ご理解の早い方であれば、すでにこの言葉だけでピーンと来たと思います。
その問題に気づいた人だけが得する方法をそっとお教えします!

私はメディア総合商社(JASDAQ上場企業)に在籍していましたが、そこでもコストの圧縮対策は日常茶飯事に行われていました。もちろん、私の日常の行動もチェックされ、1円たりともムダがないかをいつも監視されていたように思います。
そんなとき、私に大きな転機が訪れました。それは、総務人事部長という役割が与えられたことです。最初は「何で??」と首をかしげるほどでした。まあ、こんなチャンスはあまりないと思い、この大役を受けたのですが、最初の仕事はもちろんコストのチェックでした。当時からコスト圧縮の指示や指導が行われていたにもかかわらず、月次でチェックすると圧縮どころかむしろ増加傾向にありました。
ある日、部下の一人が私にこんな相談をしてきました。「部長、こんなチェックをしても意味がないと思います。チェックする方もされる方もしんどいだけです。なんとか他の方法はないものでしょうか?」確かに私の考えも同じでした。事務用品ひとつ購入するのに確認と決裁が必要で、とても窮屈な業務運用を強いられているなという感覚でした。何度か私の口からも他の方法を検討させてほしいと懇願しましたが、その提案も受け入れてはもらえなかった経験がありました。
私は、この相談を受け自分の経験も踏まえ、彼に次のような質問をしてみました。「君はどうしたら圧縮できると思う?今の質問では提案になっていないし、ここまでの削減成果が出ますという具体的なプランが見えて来ない。君の職務上のプロセスでいいので、削減できる仕組みを考えてくれないか?」
数日経って、彼が再度私に相談をしてきました。「部長、この間の話のあとから会社の経費の使い方をチェックしましたが、事後決裁がものすごく多いことが分かりました。確認をしてから決裁するルールがちゃんと運用されていません。各部署の責任者に通達してきちっと運用するように言いたいのですが?」この提案は私は「なるほど、それを管理する責任者側に問題があるようだな。ちょっと確認してみるとしよう。」そう言って私は普段から仲が良い営業部長に電話を入れ、現在の経費決裁の運用状況について確認をしてみました。すると「おい小林。勘弁してくれよ。そんなルール守っていたら業務効率が下がるだけだし、部下のモチベーションも下がってしまうよ。大体A本部長だってすごい長電話だし、タクシーも乗り放題だ。上に行けば経費が使え、下の者はチェックされ、そんなのやってられないよ。俺の部下はみんな言ってるぞ。まずそっちから言って行くべきじゃないか?」
私はショックでした。毎日毎日経費使用のチェックを受け、時には叱責されたあのA本部長が経費削減行動を取っていないと部下からの悪評があがっている。部下に厳しく自分に甘いということか!私の脳裏に怒りと不安がこみ上げ、すぐさまA本部長の経費使用履歴をチェックしました。すると、出張での交通機関の利用や交際費の利用がどっさり!まさに、事後決裁はA本部長のものであったのです。中には空港から自宅へ帰宅し、そこから別の場所に行き、また帰宅している領収書を発見し、私はA本部長の元へ行ってこう言いました。「A本部長、部下からA本部長の経費使用に異論を持っている者がおります。A本部長が発していらっしゃる経費削減指示が浸透しておりません。その原因のひとつとしてA本部長ご自身の経費の使い方にあるようです。」すると、「何!お前は俺が不正していると言いたいのか。誰がそんなことを言っている!今すぐ連れて来い!」私はこの時、あ〜。これでは組織の統制なんてムリだなと思いました。なぜなら、組織のトップが自ら部下に指示したことをしていない。現場の意見に耳を傾けないようでは、まともな組織の運用はできないし、いくらルールを作っても部下は従わないだろう。
このとき、私は聖域のないコスト削減対策を実施するために総務人事部長という大役が与えられたのだと強く思いました。元々私は相手が変わっても言うべきことは言ってきました。その性格を買われての抜擢であったようでした。
それから半年、私は以前相談にきた私の部下とともに組織のトップから末端までを対象としたコスト削減を励行するため、各勘定科目(損益計算書上)毎に仕分けし、部署や役職の壁を越えた削減対策案をまとめ組織関係者全員に配布しました。その名も「企業のためのコスト削減マニュアル」。管理者でも実行者でも皆に共通し、互いにチェックの目を持つことで、組織全体の経費の圧縮に挑みました。
このマニュアルのテーマは
「本当に必要な経費」と「本当は必要でない経費」
を見極めること
「上司・部下に関わらず互いにチェックする目」
を持つこと
「コストを削減するのではなくコストを最適にする」
と考えること
そして、
末端従業員が自分にもできる!
と思うほどの具体的な策を打つこと
それからというもの、A本部長も部長も課長も主任も一般も営業職も業務職も事務職も皆が同じベクトルを持つようになり、導入後3ヶ月で、なんと
単月で2,000万円強の経費削減を実現
したのです。私はこの時、強く思いました。
・コスト削減は、聖域があってはいけない!
・コスト削減は、実際性がなければいけない!
・コスト削減は、信頼関係がなければ果たせない!
・コスト削減は、使う側の意識次第である!
・コスト削減は、組織を潤わす第一歩である!
会社は人、組織も人、売上を上げるのも人、経費を使うのも人、組織を良くするのも悪くするのもすべて人である以上、コスト削減の対策で最初に行うべきは人の意識改善です。現場にいるのも人、管理するのも人、大きい小さいに関係なく、コストを使う人の意識こそ、コスト削減を行う最大のポイントです。それが、スタッフのモチベーションにも影響し、組織良し悪しも決めます。だからこそ、「現場」 が命であると強く思います。現場を見ないでコスト削減はありえません。また、現場にしかコスト削減対策の答えはありません。このことをこれからも訴え続けたいと思います。そして、私は、この時に作成したマニュアルを元にして再編集したレポートを広く皆様にご提供し、1円でも多くコスト削減対策に実を結ばせてほしいと思います。
「よしっ!良くしよう!」
あなたのその心のスイッチを
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「誰でもできる!企業のコスト削減対策のための必須3か条」

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●誰でもできる!
企業のコスト削減対策のための必須3か条
日常業務のムダや本当は必要でない経費を発見するための意識や考え方を現場視点でまとめたノウハウレポートです。日常の経費使用意識がわかる経費チェック付き。誰でもできる業務経費の節約を体感してください。 |
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